「自分の学部や経験がどう活かせるのか分からない」と悩む経済学部の学生は少なくありません。
本記事では、経済学部出身の学生が仮に博報堂を受ける場合を想定し、自己PR・志望動機・具体的にやりたい仕事・弱み・企業への課題認識・逆質問への答え方まで、実際の面接で使える例文として丁寧に紹介します。
経済学で学んだことを、どう博報堂の仕事や価値観に結びつけて語るか。「なんとなく広告に興味がある」から一歩先へ踏み出したい方に向けた、実践的な面接対策ガイドです。
自己PR

私は大学で経済学を学ぶ中で、「人はなぜその選択をするのか」「社会はなぜその動きをするのか」といった、人間の行動原理や意思決定の背景に深く関心を持ってきました。
とくにゼミでは行動経済学を専攻し、実験やデータを用いて、価格や広告、SNS投稿が消費者心理にどのような影響を与えるのかを調査しました。たとえば、同じ商品の広告でもキャッチコピーの言い回し一つでクリック率が1.7倍変わるといった分析を通じて、“数字の裏にある感情や価値観”に注目することの大切さを実感しました。
私はこの経験を、貴社の“生活者発想”と“クリエイティビティ”の現場で活かせると考えています。消費者は単なるデータではなく、一人ひとりに感情や文脈がある。だからこそ、数値分析だけにとどまらず、「なぜその数字が出たのか」「その背景にどんな暮らしがあるのか」といった**“人を見る視点”を大切にしながら、課題解決や価値創造に取り組みたい**です。
また、学生広報団体の活動で、実際に地域の企業と連携し、キャンペーン企画やSNS運用も経験しました。その中で、「データを読む力」と「人に届く言葉をつくる力」の両方が重要だと実感しています。
データから生活者のインサイトを見抜き、アイデアに昇華させる。その力を磨きながら、人の心を動かす提案ができるプランナーになりたいと考えています。
質問:「具体的にどういった仕事を担当したいですか?」

私は、生活者の行動や価値観を深く理解し、企業や社会の課題をクリエイティブな方法で解決するプランナーの仕事に強く惹かれています。
大学では経済学、とくに行動経済学やマーケティング論を通じて、人がどのように意思決定するのか、どんな情報や空気が「買いたい」「動きたい」という気持ちにつながるのかを分析してきました。
この視点は、博報堂の「生活者発想」と非常に近いものだと感じています。
具体的には、企業の新商品・サービスに対して、生活者の視点から“気づき”や“共感”を引き出すようなキャンペーンやブランド戦略の立案に携わりたいです。たとえば、デジタル広告やSNSと連動した体験型のプロモーション、あるいはリアルな場での消費者行動を設計するような企画に挑戦したいと考えています。
また、大学でデータ分析にも取り組んでいたことから、生活者データや購買履歴、アンケートなどを読み解いて、インサイトを見つけ出す仕事にも関心があります。博報堂DYグループが持つ生活者データ基盤と、クリエイティブな企画力の融合は、まさに私がやりたいことの理想形です。
将来的には、「データ×感性」の視点でブランドと人の関係性を深める提案ができる、戦略性と感性の両方を持つプランナーを目指したいです。
質問:「博報堂の取り組みで共感したものを1つ教えてください」

私が博報堂の取り組みの中で特に共感したのは、生活者の行動を深く理解し、購買だけでなくその後の体験までをデザインする「PIXループ™」という行動デザインモデルの開発です。
このモデルは、単なる広告や販売促進にとどまらず、生活者の欲求や感情の変化を捉え、より良い生活や社会を創り出すことを目指しています。大学で経済学を学ぶ中で、私は人々の意思決定や行動の背景にある心理や社会的要因に興味を持ちました。そのため、博報堂が生活者の視点に立ち、行動の全体像を捉えてコミュニケーションを設計する姿勢に強く共感しました。
このような取り組みを通じて、生活者の心に寄り添い、社会にポジティブな変化をもたらす仕事に携わりたいと考えています。博報堂の「生活者発想」に基づくアプローチは、私の学びや価値観と一致しており、ぜひその一員として貢献したいと思っています。
質問:「チームで課題を解決した経験はありますか?」

はい、大学3年のときに参加した学生広報プロジェクトでの経験が、チームで課題を乗り越えた印象的な事例です。
このプロジェクトでは、地域の小さな食品会社の売上アップを目的に、学生チームでSNSを活用したプロモーション施策を提案・実施しました。私たちは5人チームで取り組みましたが、最初は意見がまとまらず、どんな切り口で訴求するかも決めきれない状態が続いていました。
そこで私は、まず全員の得意分野や関心をヒアリングし、「市場調査チーム」と「企画・制作チーム」に役割を分担。自分は経済学で学んだ消費者行動分析を活かし、ターゲット層の購買傾向を調査しました。
その結果、「手軽さ」と「健康志向」がキーワードになるとわかり、インスタグラムで「◯秒で食べられる××」という短尺動画キャンペーンを実施。社長さんからは「SNS経由のECサイトの注文が前月の約3倍になった」とお聞きし、チーム全員で大きな達成感を味わいました。
この経験を通じて、自分と異なる視点を持つメンバーと協働しながら、共通の目標に向けて解決策を導く力がついたと感じています。広告の現場でも、多様な人と意見をぶつけ合いながら、生活者に届くアウトプットをつくっていきたいです。
質問:「なぜ経済学部に入ったのですか?」

私が経済学部を選んだ理由は、「人や社会の行動の仕組みを知りたかったから」です。
高校時代、ニュースで見る景気や物価の変動、広告の影響でモノが売れる仕組みなど、日常の現象にはすべて背景があることに興味を持ちました。
その「なぜ?」を体系的に学べるのが経済学だと知り、進学を決めました。
入学後は、特に行動経済学やマーケティング論に強く惹かれ、人が必ずしも合理的に動くわけではないこと、そこにこそ企業や社会のヒントがあることを実感しました。数字と人間の心理を組み合わせて、「人が動く理由」を明らかにしていく学問の面白さに強く惹かれました。
この興味や学びは、広告という「人の心を動かす仕事」に直結するものだと感じており、今後も自分のベースとして活かしていきたいと思っています。
質問:「なぜ他社ではなく博報堂なのですか?」

他の広告会社でも人の心を動かす仕事はできますが、博報堂だからこそ“生活者”に寄り添った提案ができると感じたからです。
私は経済学部で、行動経済学やマーケティングを通じて、「人は必ずしも合理的には動かない」ということを学びました。だからこそ、生活者の行動や感情の背景に目を向ける発想に共感し、実際に社員訪問でお話を伺った際も「企業の課題ではなく、まず生活者の課題から考える」という言葉がとても印象に残りました。
また、貴社は“広告”の枠を越えて、街づくりや商品開発など、生活そのものに関わるクリエイティブを実践している点も魅力でした。私も、生活者にとって意味のあるアイデアを生み出し、社会と企業のつながりを育てていくような仕事をしたいと思い、博報堂を志望しています。
質問:「他の企業でもできるのでは?」

確かに、広告やマーケティングを通じて人の心を動かすという点では、他の企業でも似たような仕事はできると思います。
ですが、“どこから”人を動かすか、という視点が博報堂は圧倒的に違うと感じています。
他社が「商品をどう売るか」から始まるのに対して、博報堂は「生活者は今、どんなことを感じているか」「何に困っているか」といった生活のリアルな気持ちや欲求からスタートする。これは、行動経済学やマーケティングを学んできた私にとっても非常に共感できるアプローチです。
さらに、博報堂は広告の枠を越え、商品開発や地域づくりなど**“生活者の体験そのものをつくる”ような領域にも深く関わっていて、そこに自分も加わりたいと思いました。だからこそ、「広告会社」という枠に収まらない博報堂で、人と社会を前向きに動かす仕事がしたい**と強く思っています。
質問:「博報堂の課題は何だと思いますか?」

あえて課題を挙げるとすれば、「生活者発想」という強い哲学を持つ一方で、それをどう新しいテクノロジーと融合していくかが問われていることだと思います。
生活者に深く寄り添う力は博報堂の強みであり、それ自体は変えるべきではないと感じますが、たとえば生成AIのような新しい技術を、博報堂らしい文脈でどう取り入れ、価値ある体験に変えていけるかは、今後の成長において大きなテーマになるのではないかと思います。
私は大学で経済学と同時にデジタルマーケティングやデータ分析にも取り組んできたので、人の気持ちとデータを橋渡しするような存在として、そうした融合に貢献していきたいと考えています。
質問:「あなたの弱みを教えてください」

私の弱みは、考えすぎて初動が遅れてしまうことです。
ゼミやプロジェクトなどで、「まず正解を出さなきゃ」と思い詰めて、なかなか最初の一歩が踏み出せないことがありました。でもその結果、全体の進行が遅れてしまった経験があり、反省しました。
そこで最近は、「まずやってみてから直せばいい」と意識を切り替え、プロジェクトでは最初の叩き台を自分から出すようにしています。すると周囲の反応も得られて、議論が活性化し、結果的に早くゴールに近づけることが増えました。
今も慎重な性格ではありますが、それを活かしつつも行動を起点に改善していく姿勢を大事にしています。
まとめ
経済学部で学んだ知識や視点は、数字を扱うだけでなく、「人の行動や意思決定の背景を理解する力」として、博報堂の“生活者発想”と非常に親和性が高いといえます。
今回ご紹介した自己PRや質疑応答の例文は、経済学部ならではの視点を活かしながら、博報堂らしい価値観とどう接続すればよいのかを考え抜いた内容です。
大切なのは、自分の経験を「どんな問いに答えたいのか」「誰のために役立てたいのか」という視点で語ること。博報堂の選考では、個人の想いや発見がしっかりと伝わるかが問われます。
ぜひあなた自身の言葉で、自分の学びと博報堂の仕事をつなぎ、「この人と一緒に働きたい」と思われる面接につなげてください。応援しています。