【人事監修】文学部学生の新卒面接自己PRと質疑例|想定:三井住友銀行

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言葉への感受性や対話力、人間理解の深さといった文学部ならではの強みは、銀行業務において大きな武器になります。

本記事では、文学部出身の新卒がどのように自己PRを構成し、質問に答えるべきかを具体的に解説しています。
今回はその一例として、仮に三井住友銀行を受ける場合を想定し、面接で想定される質問に対してどのように準備し、どのような視点で自分の経験を語るべきかを紹介します。

「文学部出身だからこそ伝えられる価値」を見つけ、自信を持って面接に臨むためのヒントを、この記事で掴んでください。

目次

自己PR

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私は大学で文学部に所属し、主に言語表現と対話の研究に取り組んできました。人の言葉には、感情や背景、関係性が表れるという考えのもと、小説や演劇の対話表現を通じて「相手の立場に立つ想像力」や「言葉の裏にある意図を読み取る力」を磨いてきました。

この経験は、金融業界、特に三井住友銀行のようにお客様と長期的な信頼関係を築くことが求められる仕事に活かせると考えています。

また、ゼミ活動ではチームでのディスカッションを重ね、相手の意見を引き出しながら合意形成をする場面も多く経験しました。そうした中で、「自分が話す」以上に「相手の話をどう聴くか」「どんな言葉で返すか」が大切であることを学びました。

私は、文学部で学んだ力を“人と向き合う力”として、法人・個人を問わず一人ひとりのニーズに合わせた最適な金融提案につなげていきたいと考えています。そして、三井住友銀行が掲げる「お客さま第一」の姿勢を、自分自身の強みで具体的に体現していきたいと思っています。

文学部出身ならではの「言葉への感受性」や「対話力」を強みとして整理し、銀行業務で重要な「傾聴力」「信頼構築力」と結びつけています。また、自分が一方的に話すのではなく、相手の声を引き出して関係性を築く姿勢をアピールしており、リテール・法人営業どちらにも通じる適性を伝えられる構成になっています。

質問:「具体的にどういった仕事を担当したいですか?」

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私は、個人向けのリテール営業を担当したいと考えています。

大学では文学部で言語やコミュニケーションについて学び、人の話を丁寧に聴く力や、その背景にある想いや価値観をくみ取る力を培ってきました。銀行のリテール営業では、住宅ローンや資産運用、相続など人生の大切な意思決定に関わる相談を一緒に考えていくことが求められます。まさに、自分の強みを最も発揮できる仕事だと感じています。

また、学生時代にアルバイトで高齢のお客様と接する機会が多く、「話をじっくり聴いてもらえた」と感謝された経験もありました。お客さまが何に不安を感じ、どこに期待しているかを言葉の奥から読み取る力で、信頼されるパートナーになれるよう努力していきたいです。

将来的には、ライフステージに寄り添いながら長期的な信頼関係を築ける銀行員を目指しています。

「自分の強み(傾聴力・共感力)と、仕事の特性(リテール営業)をしっかり接続」している点が評価ポイントです。さらに、学生時代の具体的な経験を挟むことで説得力を高めています。単に「やってみたい」ではなく、「だからこそ自分に合っている」と自然に語れる構成です。

質問:「三井住友銀行の取り組みで共感したものを1つ教えてください」

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私が共感したのは、**三井住友銀行が取り組んでいる「インパクトの可視化」**です。
2024年にSMBCグループは邦銀初となる「インパクトレポート」を発表し、再生可能エネルギー投資などの社会的意義を定量的に可視化しました。たとえば、温室効果ガスの削減貢献や、気候変動リスクへのファイナンスの効果などを明示しています。

この取り組みからは、金融を通じて社会課題を解決しようという強い意思を感じました。文学部で人や社会について学んできた私にとって、「数字だけでなく、その背景にある価値を考える姿勢」は非常に共感できます。

銀行という立場で社会にどれだけ前向きな影響を与えられるかを、透明性のあるかたちで示していく。私もそうした信念を持ち、意義ある仕事に関わっていきたいと強く思いました。

SMBC独自の先進的な取り組み「インパクトの可視化」に焦点を当てることで、企業研究の深さをアピールできています。また、文学部出身らしく「人や社会に目を向ける姿勢」とこの取り組みの価値を重ね合わせており、自分の志望理由や将来像と自然につなげた構成になっています。

質問:「大学時代に一番がんばったことを教えてください」

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大学時代に一番がんばったのは、ゼミでの卒業論文研究と、それを広く共有するための自主企画イベントの開催です。

私は文学部で「言葉が人の感情や行動に与える影響」をテーマに研究してきました。特に、日常会話における“言葉の選び方”が相手に与える印象の変化について調査を行いました。実験やインタビューなどを通じて、単語の違いが信頼関係や納得感に影響を与えることを実証しました。

この成果をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、同級生と協力して学生主体の「対話×ことば」ワークショップを開催しました。準備期間は2カ月、参加者は想定の倍の40名以上となり、アンケートでも「自分の話し方を見直すきっかけになった」という声を多くいただきました。

この経験を通じて、「自分の興味を社会につなげる力」「人を巻き込んで価値をつくる行動力」が身についたと感じています。金融の仕事でも、お客さまとの信頼関係を築き、言葉一つに責任を持つ姿勢を大切にしていきたいです。

文学部らしい研究テーマ(言葉と感情)に取り組み、それを社会につなげる行動力を示している点がポイントです。単なる勉強の話で終わらず、成果を外部発信する実行力や周囲を巻き込む力もアピール。銀行業務に通じる「対話力」「信頼構築力」へ自然につなげた構成になっています。

質問:「ワークショップが成功した一番のポイントはなんだったと考えていますか?」

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ワークショップ成功の最大の要因は、“参加者目線での設計”を徹底したことだと思います。

企画当初は、ゼミで学んだ知識をそのまま講義形式で伝える案もありましたが、参加者アンケートを実施した結果、「自分の話し方を実際に試してみたい」「他の人の印象も聞いてみたい」といった声が多く寄せられました。

そこで、単に知識を伝える場ではなく、参加者同士が対話を体験し、変化を実感できる構成に変更。ロールプレイや相互フィードバックの時間を設けたことで、「学びを実感できた」と多くの方に好評をいただきました。

この経験から、「相手が何を求めているのかを丁寧に汲み取って構成を変える」ことの大切さを学びました。銀行の仕事でも、お客さまの立場に立った提案をする姿勢につながると感じています。

成功の理由を「自分の頑張り」ではなく「参加者目線の工夫」に置いたことで、相手本位の姿勢を強調できています。お客さまのニーズを察して価値を届けるという、銀行業務にも通じる力をアピールしており、面接官に好印象を与える構成です。

質問:「大学で学んでいることを教えてください」

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私は文学部で、「言語と人間関係」をテーマに学んでいます。
特にゼミでは、日常会話における言葉の選び方が、人の印象や信頼関係にどのような影響を与えるかを研究しています。敬語の使い方や語尾の選択によって、相手の受け取り方が微妙に変化することに興味を持ち、インタビューや会話分析を通じてデータを集めました。

こうした学びを通じて実感したのは、「伝えること」と「伝わること」は必ずしも一致しないという点です。だからこそ、相手の立場や気持ちを想像しながら言葉を選ぶことが大切だと強く感じています。

この視点は、銀行の仕事でお客さまの課題を丁寧に聞き取り、最適な提案をするうえでも、必ず役立つと考えています。

文学部ならではの専門性(言語・対話)を、銀行業務に必要な「傾聴力」や「伝える力」と結びつけているのがポイントです。抽象的な文学の学びを、相手理解や提案力といった実務的な要素へ自然に翻訳しており、実際の仕事への関心とつながりがしっかり伝わる構成になっています。

質問:「なぜ他社ではなく三井住友銀行なのですか?」

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他の銀行や金融機関にも魅力はありますが、私が三井住友銀行を志望する理由は、「信頼に応える力」と「変化に挑む姿勢」の両方を備えている点に強く惹かれたからです。

私は、文学部で“言葉や対話の力”について学びながら、人との信頼関係や背景を理解する重要性を強く実感してきました。三井住友銀行の「お客さま第一主義」や、「一歩先を読むコンサルティング営業」の考え方は、まさにその信頼の土台を大切にしていると感じています。

同時に、デジタル戦略や海外展開など、伝統に甘んじることなく次の時代に向けて大きく変化し続けている点にも魅力を感じました。私は、人と誠実に向き合いながら、新しい挑戦を恐れずに価値を創っていける三井住友銀行で、自分自身の成長と社会への貢献を両立させたいと考えています。

三井住友銀行を選んだ理由を、「信頼を重んじる文化」と「変化への柔軟な対応力」の両面から語ることで、企業理解の深さと志望度の高さをアピールしています。自分の学びと企業の価値観をつなげた構成で、銀行業務への適性も自然に伝わる内容です。

質問:「他の企業ではできないのですか?」

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確かに、「人と信頼関係を築きながら課題解決に関わる仕事」は他の企業でもできると思います。
ですが、私が三井住友銀行を志望するのは、**“お客さまの人生や事業に長く深く関わりながら、金融という手段で実質的な支援ができる”**からです。

たとえば住宅購入、資産形成、事業承継など、人生や経営にとって重要なタイミングに寄り添えるのは、銀行ならではの役割です。そして、三井住友銀行はその中でも、デジタルやグローバルなど変革にも積極的に取り組んでおり、時代に合わせた新しい提案ができる体制が整っていると感じました。

他の企業では“部分的”な支援にとどまってしまうところを、三井住友銀行なら一人ひとりの人生に中長期で伴走し、信頼を築きながら本質的な支援ができる。それが、他にはない魅力だと考えています。

他社にも共通する要素を一度認めたうえで、「三井住友銀行だからこそできる“深く・長く寄り添う支援”」にフォーカスした構成です。個人・法人どちらの顧客にも共通する銀行の強みを押さえつつ、デジタルや変革への対応力にも触れることで、企業理解の深さと志望の本気度が伝わる内容になっています。

質問:「あなたの弱みを教えてください」

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私の弱みは、人に遠慮しすぎてしまうところです。
ゼミ活動やグループワークなどで、相手の意見を尊重するあまり、自分の考えをはっきり主張できないことがありました。結果的に議論の流れが偏ってしまい、反省した経験があります。

その経験をきっかけに、ただ相手に合わせるのではなく、相手の考えを受け止めたうえで、自分の意見も補足的に伝える工夫をするようになりました。たとえば、「共感+提案」の形で話すことで、対話のバランスを取れるようになってきました。

今では、相手に寄り添いながらも、自分の意見をしっかり持つことの大切さを意識できるようになり、成長を実感しています。この姿勢は、お客さまと信頼関係を築くうえでも活かせると考えています。

弱みを「遠慮しすぎる」と素直に認めつつ、改善のための具体的な行動(共感+提案)を挙げて成長を示しています。相手への配慮と自己主張のバランスという銀行業務に必要な対人スキルへ自然につなげており、誠実さと実行力の両方をアピールできる構成になっています。

まとめ

三井住友銀行のように「人と信頼関係を築く力」「本質を見抜く洞察力」「言葉を通じた共感力」を重視する企業においては、文学部で培った力がしっかりと価値になります。

大切なのは、専門性ではなく**「その学びをどう活かしたいか」「誰のために役立てたいか」**を自分の言葉で語ることです。

今回紹介したような自己PRや質疑応答の考え方をベースに、自分自身の経験と向き合いながら準備を進めれば、文学部出身であることはむしろ強みになります。

「言葉で人と信頼を築ける人間になりたい」――そんな思いを、銀行の仕事に重ねて堂々と伝えてください。きっと伝わります。

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