海外旅行だけでなく訪日外国人も多くなっている近年、たくさんんの音声翻訳機が発売されるようになりました。
情報誌のなかには「1人に1台持つ時代が来る」と紹介されることもあるほどです。
そのため多くの音声翻訳機が発売されており、いざ購入しようとしても迷ってしまい決められない!なんてことも。
まずは音声翻訳機のスペックの見方から見ていきましょう。
各機種を比較するときにピックアップされる項目です。
目次
音声翻訳機の選び方
対応言語
翻訳可能な外国語がいくつあるかは、一番初めに比較される項目です。
少ない言語に限定しているものから、数十言語まで対応できるものまで多く発売されています。
もしも購入理由が旅行であれば、行き先の言語に対応できているかということが大切です。
また、商店などを経営している方など海外のお客さんとのコミュニケーションが目的であれば、どの音声翻訳機でも英語や中国はカバーされているため十分対応可能です。
商社にお勤めなどで、多くの国や地域に行く機会があるなら、十分対応できるだけの多くの言語数に対応している機種がおすすめです。
翻訳方向
日本語→外国語、外国語→日本語の両方ができる『双方向』と、日本語→外国語の『一方向』の2種類があります。
もちろん外国の方とのコミュニケーションをしたいなら双方向がおすすめです。
一方向でも海外でのお買い物などで利用するだけであれば問題ありませんし、海外では盗難の心配があるため相手に音声翻訳機を渡さないということで一方向を選ぶユーザーもいます。
翻訳スピード
音声翻訳機に話しかけ、外国語に変換してくれるまでの所要時間です。
短文の翻訳には数秒かかるものから1秒もかからないものまで様々です。
時間に余裕のある旅行やビジネスでの商談など使い方に合わせて選べばストレスなく使用できます。
一方で、長文になると時間がかかったり、翻訳精度が落ちるという機種もあるため目的によっては注意が必要です。
大きさ・重さ
大きさや重さはもちろん機種によって様々ですが、持ち歩きにストレスを感じる機種はあまりなく、現在発売されている音声翻訳機には十分配慮されているようになっています。
例えば、143.6 x 67.3 x 7.3mm(縦・横・厚さ)、174gのiPhoneXと比較してみましょう。
大きさはどの機種もiPhoneX の1/3から半分程度、重さも100g前後と持ち歩きにストレスはありません。
なかには30g程度のとても軽い音声翻訳機もあり、必要な性能を優先することがおすすめです。
ネット接続
インターネット環境に接続できるものと、できないものがあります。
接続できないオフラインのメリットは、どこでも使用可能な点です。
日本でも山奥はインターネット環境が整っていないエリアが一部ありますが、海外ではそんな地域がもっと広くあります。
あまり知られていない地域への旅行などにはオフラインがおすすめです。
一方でデメリットは翻訳の精度。
小さな機械の中に外部からの情報を入れられないため、翻訳できる会話の数が限られてしまいます。
商談や医療現場など、特殊な会話にはオンラインの方が適任です。
待受時間
旅行先ではすぐに翻訳できるように電源を入れっぱなしにしたり、夜までホテルに戻らないから充電できないなんてことはよくありますよね。
連続してどのくらい使用できて、充電せずにどのくらいもつのかは機種によってまちまちですが、ほとんどの音声翻訳機では十分な機能が備わっています。
辺境地への渡航でもない限り、あまり気にしなくても問題はなさそうです。
その他
ここは機種のスペック比較ではなく、機種ごとの特徴でよくあがる項目です。
まず初めがWi-Fiとしての利用です。
SIMカードを装着して音声翻訳機自体をモバイルWi-Fiルーターとして使用できる機種があります。
海外用にレンタルする必要がなく、一石二鳥です。
また、最近注目されている人口知能AIを搭載している機種というものも登場しています。
外国語から日本語への変換で、妙なニュアンスで翻訳されているなあと感じたことがある人も多いと思います。
もちろん日本語から外国語への変換でも、同じようなことが起きています。
それもAI搭載型であれば常に精度が向上しており、利用していきながらネイティブに近づいていきます。
インターネット接続型の場合、翻訳自体は機械内部ではなくネット上の翻訳エンジンを利用して行っています。
翻訳言語によって翻訳エンジンを使い分ける、ということをする音声翻訳機も登場しています。
そのため、翻訳エンジンの違いで翻訳能力に差が出たりするので、気になる方は要チェックです。
音声翻訳機おすすめ10選
どのような機能が音声翻訳機に盛り込まれているのかわかったところで、実際に発売されている音声翻訳機について見ていきましょう。
Langie(ランジー)
販売元は、電子部品など海外へ輸出する有限会社東江物産という商社。
このランジー以外でも電子辞書や外国語学習機なども扱うという昭和60年創業の企業です。
そのため海外と長年関わりを持ち、その強みを生かしランジーが誕生しました。
オンラインで52言語を翻訳可能ですが、インターネット環境が整っていない地域も海外には多くオフラインでも英語・フランス語・イタリア語・中国語など日本人が旅行によくいくような国には十分対応されています。
【対応言語】:52言語(オンライン時)、12言語(オフライン時)
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:(公表なし)
【大きさ、重さ】:148 x 48 x 17mm、125 g
【ネット接続】:オンライン・オフライン両方可
【待受時間】:連続待受/最大約5日間、連続使用/最大約5時間
【価格】:32,173(税込)
他の機種と比べ言語数も見劣りしないレベルであり、また双方向での利用が可能な万能型タイプの音声翻訳機です。
人工知能AIにも対応しているため、外国語の翻訳で見られる不自然な直訳を防ぐ機能も搭載しています。
また、イージートークがモバイルルーターとしても利用可能なため、海外で心配になるネット環境の備えにもなります。
Easytalk(イージートーク)
【対応言語】:38言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:最速0.5秒
【大きさ、重さ】: 129 x 59.2 x 12.6mm、102 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:連続待受/最大約5日間、連続使用:最大約8時間
【価格】:23,800(税込)
POCKETALK(ポケトーク)
発売元は多くのPCソフトで知られる大企業のソースネクスト社。
そのため広告にも力を入れており、お笑い芸人の明石家さんまさんのCMでも知られるようになった音声翻訳機です。
もちろん音声翻訳機としての機能にも力を入れており、とくに一番の強みは対応言語の多さです。
英語・中国語はもちろんですが、バスク語やラトビア語といった普段あまりなじみのない言語にも対応して全74言語にもなります。
通訳がいるような対話を目指されており、特許出願もされています。(2018年9月時点)
海外の中でも日本には馴染みのない国への渡航が多い方にはとてもおすすめな機種です。
【対応言語】:74言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:平均0.6秒
【大きさ、重さ】:110x 59.8 x 15.8mm、約100 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:連続待受/最大約10日間、連続使用:最大約7時間
【価格】:(SIMなし)26,784(税込)
【公式】POCKETALK_W (ポケトーク) 翻訳機 +グローバル通信(2年) ホワイト
ili(イリー)
多くの音声翻訳機と逆行して開発されているのがこのili(イリー)です。
対応言語は英語・中国語・韓国語の3言語、翻訳は一方向、と一見するとほかの機種よりも見劣りしてしまいます。
しかし、ちょっとした旅行が目的であればとても使い勝手がいい機種です。
対応言語は日本人が旅行に行く人気のエリアを十分カバーしています。
さらに、海外で最新機器を他人に渡す危険を考え翻訳も一方向。
とても実用的な内容に機能が限定されています。
【対応言語】:3言語
【翻訳方向】:一方向
【翻訳速度】:最速0.2秒
【大きさ、重さ】:121.8 x 33 x 13mm、42 g
【ネット接続】:不要(オフラインのみ)
【待受時間】:連続待受/最大約3日間、連続使用/最大約3時間
【価格】:21,384(税込)
IU(アイ・ユー)
なにより目を引くのが、大きさと形状です。
まさに手のひらサイズなのに、20言語にも対応できる機種です。
IUは台湾の開発者が日本のアニメに登場する翻訳機をヒントに開発したもので、ネット上で費用を集めるクラウドファンディングによって誕生しています。
今後はオフラインでも利用できるようにしていくことも発表されており、今後が楽しみな音声翻訳機のひとつです。
【対応言語】:20言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:(公表なし)
【大きさ、重さ】:30 x 30 x 36mm、34 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:連続待受/(公表なし)、連続使用:最大約5時間
【価格】:17,820(税込)
WT2
中国のメーカーが開発したワイヤレスイヤホン型の翻訳機です。
2つのイヤホンをスマホのアプリと連動して利用し、片方のイヤホンを自分でつけ、もう一方を相手がつけて使用します。
最大の特徴はハンズフリーで会話ができることです。
旅行先で道を尋ねたりお店でおすすめを聞いたりするには向きませんが、対面して会話する語学の勉強や、車の運転時に利用できそうな機種です。
【対応言語】:20言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:1〜3秒
【大きさ、重さ】:75 x 75 x 6.6mm、80g
【ネット接続】:(スマホ接続のみ)
【待受時間】:2〜3時間(バッテリー寿命)
【価格】:24,880(税込)
MagicSay(マジックセイ)
言語数も着実に拡大しているAI搭載の翻訳機がこのMagicSayです。
2018年5月の発売当初は26言語だったのが、直後の2018年6月には34言語に増えています。今後追加の場合でもシステムの更新で対応できる成長中の機種です。
また、AI搭載機種の中でも最安値帯で2018年10月現在Amazonでは17,800円です。
発売されたばかりで未知なところも多い一方で、性能と価格からはお手頃な機種と言えます。
POCKETALK(ポケトーク)やili(イリー)といったメジャーな機種の中でも、売れ筋ランキングに入ることも多い、隠れた人気機種と言えます。
【対応言語】:34言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:1秒
【大きさ、重さ】:129x 58 x 13mm、100 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:最大約3日間、連続使用:(公表なし)
【価格】:17,800(税込)(Amazon参照)
MayumiII(マユミ2)
語学の勉強にもビジネスシーンでも利用できる万能な機種です。
読み上げ音声も男性・女性、読み上げ速度も4段階から選ぶことができます。
SIMカードを利用するので海外でもWi-Fiとして使用可能です。
また、AI翻訳を搭載しており言語によって翻訳エンジンを選ぶため、日々翻訳精度が向上することもこのMayumiⅡの特徴です。
まだまだ認知度は低いですが、ネット上のレビューではメジャー機種よりも推しているユーザーも多い機種です。
【対応言語】:45言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:約1〜2秒程度(レビューより参照)
【大きさ、重さ】:121.2x 48.6 x 15.7mm、95 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:最大約3日間、連続使用:最大約8時間
【価格】:29,800(税込)
ペラーク
双方向翻訳という点に機能が絞られたのがこのペラークです。
自分が話すときと相手が話すときに使い分ける2つのボタンと、大きめの画面とデザインもいたってシンプルです。
また言語数も十分な41言語に対応しています。
双方向で、ある程度の言語数を備えている機種の中では比較的安価に抑えられているのが特徴です。
【対応言語】:41言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:約3秒
【大きさ、重さ】:143.3x 58.5 x 13.5mm、110 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:最大約6日間、連続使用:最大約5時間
【価格】:20,304(税込)
Hikaru(ヒカル)
ペラーク同様、シンプルなデザインと機能がポイントの機種です。
大きさや形状など見た目はペラークとあまり差はありませんが、翻訳時間の早さと価格がとても目を引きます。
特に今回ご紹介の機種の中では、最安値帯です。
まだまだマイナーな機種ですが、初めての翻訳機としては魅力的な機種です。
【対応言語】:26言語
【翻訳方向】:双方向
【翻訳速度】:最速0.2秒
【大きさ、重さ】:145 x 55 x 15mm、109 g
【ネット接続】:オンラインのみ
【待受時間】:(公表なし)、連続使用:最大約8時間
【価格】:12,999税込)(Amazon参照)
まとめ
これまで10種類の音声翻訳機をご紹介いたしました。
たくさんの言語数が欲しいならポケトーク、日本人にとってメジャーな国への旅行ならイリー、値段で選ぶならHikaruというように機種によっても特徴が様々です。
現在日本では、日本企業が開発した日本人向けの機種が人気で、イージートークやポケトーク、イリーなどが有名です。
一方で、まだまだ日本ではメジャーな存在ではありませんが、超小型のIUやワイヤレスイヤホン型のWT2など新たな切り口で開発している海外の製品も台頭してきています。
今後も多様な機能や使い方を搭載した、たくさんの音声翻訳機が開発されてユーザーとしては迷うことが多くなると予想されます。
まずは、考えすぎずに目的や用途から気軽に選んでみてはいかがでしょうか。
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