【人事監修】ロボット工学を学んだ方の新卒面接自己PRと質疑例|想定:NTTデータ

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ロボット工学を学んできた理系大学院生が、新卒でIT業界、とくにNTTデータのような社会インフラを支える大手SIer企業を志望するケースが増えています。しかし、専門性が高いがゆえに「自分の研究がどう会社に役立つのか」「面接で何をどう伝えればいいのか」に悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、仮にNTTデータを受ける場合を想定して、ロボット工学の知識や研究経験を効果的にアピールする自己PRや、実際に面接でよく問われる質問への回答例をまとめました。専門用語を避けつつも説得力を持たせる表現方法や、NTTデータだからこそ挑戦できるキャリアの描き方、さらには「弱みは?」「なぜうちなの?」といった深掘り質問へのスマートな返し方も紹介しています。

IT企業の中でも「技術と社会の橋渡し」に挑戦したい方にとって、きっとヒントになるはずです。

目次

自己PR

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私は大学院でロボット工学を専攻し、人と協調する自律型ロボットの制御アルゴリズムについて研究してきました。センサーデータをもとに動的に判断・行動する仕組みを構築する中で、複雑なデータ処理やリアルタイム性の高いアルゴリズム開発に取り組みました。

この経験から得た最大の強みは、「多様なデータを活用して現実世界の課題を解決する力」です。ロボットに限らず、人・モノ・サービスがつながる現代社会では、データをもとにした高度な意思決定が重要だと強く感じています。

NTTデータは、社会インフラ・医療・金融・製造など、さまざまな領域でビッグデータやAIを活用し、社会課題を解決するプロジェクトに取り組んでおられます。私は、自律分散型システムの構築やセンサーデータのリアルタイム解析に関する知識と実践経験を活かして、御社の先進的な取り組みに貢献できると考えています。

また、研究では他分野の学生や企業と連携しながらプロジェクトを進める機会も多く、課題発見から提案・実装まで一貫して対応する力も磨いてきました。社会全体のDX推進において、技術と現場の橋渡しができる人材になりたいと考え、NTTデータを志望いたしました。

質問:「具体的にNTTデータのどういった仕事を担当したいですか?」

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はい、私はスマートファクトリーやインフラの高度化に関わるデータ活用型プロジェクトに携わりたいと考えています。

大学院では、ロボットの自律制御において、センサーデータをリアルタイムに処理し、環境や人との相互作用に応じて最適な行動をとるアルゴリズムの開発を行ってきました。この過程で、センシング技術、データの統合・解析、AIモデルによる意思決定、エッジコンピューティングといった知識を実践的に身につけることができました。

これらのスキルは、NTTデータ様が取り組まれている製造業のスマート化支援(スマートファクトリー)や、社会インフラの予兆保全や最適運用を支えるIoT/AIプロジェクトに直結するものだと考えています。たとえば、工場内の機器やセンサーから得られるデータを活用して、機器の異常を事前に予測したり、作業工程を最適化したりするようなソリューションの開発に携わりたいです。

また、ロボット研究では「人とロボットの協調」もテーマだったため、人とデジタル技術の橋渡しにも関心があります。NTTデータ様が大切にされている「ヒューマンセントリック」な価値創出においても、私の経験は活かせると信じています。

将来的には、製造・交通・物流・医療といった分野のスマート化に貢献できるような、社会的インパクトの大きいプロジェクトをリードできる人材を目指していきたいです。

質問:「当社を志望する理由は何ですか?」

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私がNTTデータを志望する理由は、データとテクノロジーを駆使して社会課題を解決する姿勢に強く共感し、そこに自分の専門性が貢献できると確信しているからです。

私は大学院で、ロボットの自律制御や人との協調動作に関する研究を通じて、センサーデータのリアルタイム処理、アルゴリズム設計、AIによる意思決定といった知識やスキルを磨いてきました。この経験は、まさにNTTデータ様が注力されているスマートファクトリーやIoT、インフラDXなどの領域で活かせるものだと感じています。

特に魅力を感じたのは、「人と社会に寄り添った価値提供」という姿勢です。単に技術を提供するのではなく、課題の本質を捉えたうえで最適解を導くという考え方は、私が研究を通じて大切にしてきた「ユーザー視点の設計思想」とも重なります。

さらに、NTTデータ様のグローバルな展開にも大きな魅力を感じています。世界各地で活躍するプロジェクトに関わることで、視野を広げながら自分自身も成長していきたいと考えています。

こうした環境で、技術者としての専門性と社会への貢献意欲を両立させ、持続可能な社会づくりに貢献したい。それが、NTTデータを志望する理由です。

質問:「グローバルで働きたいとのことですが、具体的にどのような形で関わりたいですか?」

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私がグローバルで働きたいと考えるのは、多様な価値観や社会課題に触れることで、自分の視野を広げると同時に、より本質的な技術貢献ができると考えているからです

大学院でロボット工学を研究する中で、人と機械の関わり方は文化や国によって異なることに興味を持ちました。たとえば、高齢化が進む日本では介助ロボットの需要が高い一方、発展途上国では物流支援の自動化などが優先される傾向があります。その土地ごとの課題に即した技術導入の在り方を考えることは、私の関心の大きなテーマの一つです。

NTTデータ様は、欧州、アジア、南米など各国に拠点を持ち、ローカルパートナーと連携しながらグローバルな課題解決に取り組んでおられます。たとえば、欧州のスマートシティ開発や、アジア圏での交通インフラのDX支援などのプロジェクトに、現地チームと協働しながら参画し、技術面で貢献したいと考えています。

将来的には、現地の技術者やビジネスメンバーとチームを組み、多国籍プロジェクトの中でソリューションを共創するような役割を担いたいです。具体的には、IoT/AI技術を使ったインフラ最適化や産業の自動化支援など、私が研究で培った知識が国際的な現場でも通用する領域で積極的に貢献したいと考えています。

質問:「チームで課題を解決した経験はありますか?」

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はい、大学院で、人と一緒に動くロボットの研究に取り組んだ際、チームで大きな課題を乗り越えた経験があります。

そのプロジェクトは、人の動きに合わせてロボットがスムーズに動けるようにするというもので、5人のチームで進めていました。ところが最初は、ロボットの動きが遅れたり、動きがズレてしまうことが多く、うまく動く確率が3割くらいしかないという状態でした。

私は主にデータを調べる担当だったので、ロボットが失敗したときの動きを数万件ほど記録して分析し、「動きがズレる原因はロボットが周りの情報をうまく読み取れていないからだ」と気づきました。

そこで、ロボットが受け取る情報の中から「本当に必要なものだけを見て、無駄な情報を減らす」ように工夫したところ、うまく動く確率が85%まで改善しました。

また、チームでは「担当を分けて同時に作業する」「毎週進捗を共有する」といったチーム全体の進め方も私が提案し、スムーズに作業が進むようにしました。

この経験を通じて、「データをもとに原因を探す力」と「チームで協力しながら問題を解決する力」が自分の強みだと感じています。NTTデータさんのように、多くの人と一緒に取り組む仕事の中でも、この力を活かせると考えています。

質問:「ロボット工学を志した理由は何ですか?」

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私がロボット工学を志したのは、「人の生活を支える技術」に強い関心があったからです

もともと私は、祖父が介護を受けていた経験から、「もっと人の負担を減らせる技術があればいいのに」と思うようになりました。そのときにテレビで見たのが、人と一緒に作業をする介助ロボットで、「こういった技術があれば、社会をもっと良くできる」と強く感じたことがきっかけです。

大学では機械や情報の基礎を学ぶ中で、ロボットはセンサー・制御・AIなど様々な分野の知識を組み合わせて、現実の動きをつくる面白さがあると知り、より深く学びたいと思って大学院に進みました。

特に、人と一緒に動くロボットの制御や判断の仕組みに興味を持ち、「どうすれば人と自然に協力できるのか」「ロボットが現場で役に立つためには何が必要か」を考えながら研究してきました。

将来は、この経験を活かして、人や社会の課題に寄り添う“実用的な技術”を現場に届ける仕事がしたいと考えています。そういった意味でも、実社会に広く技術を展開されているNTTデータさんに魅力を感じています。

質問:「他社ではなく、なぜNTTデータなのですか?」

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私がNTTデータを選んだ理由は、「技術力」だけでなく、「社会へのインパクト」と「人とのつながり」を大切にしている企業だからです

大学院ではロボット工学を通じて、人と機械がどうすれば自然に協調できるかを研究してきました。その中で、技術だけではなく、「誰のために」「どんな課題を解決するのか」という視点が非常に大切だと実感しました。

多くのIT企業がある中で、NTTデータ様は単なるシステム開発にとどまらず、行政、医療、交通、製造など社会インフラそのものに関わるプロジェクトを通じて、人々の生活を根本から支える取り組みをしている点に強く惹かれました。

また、貴社の説明会で社員の方が話していた「本当に必要なことを、相手と一緒に考え抜く文化」や、「現場の声を大切にしながらデータや技術で支える姿勢」にも共感し、自分の“技術は人のためにある”という価値観と一致していると感じました。

他の企業でもロボットやAIに関連した事業はありますが、社会課題の本質を捉えて、持続可能な仕組みとして提供していく力があるのはNTTデータだからこそだと思っています。そのような環境で、技術だけでなく人や社会と向き合う力も成長させながら、価値ある仕事をしていきたいと考えています。

質問:「他の企業でもできるのでは?」

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確かに、私の専門であるデータ活用やAI・自動化の技術は、他のIT企業やメーカーでも活かせると思います。ですが、NTTデータでこそ実現できる価値があると私は考えています。

その理由は2つあります。

1つ目は、社会全体を動かすような大規模で本質的なプロジェクトに関われることです。NTTデータ様は、単に企業向けのシステムを開発するだけでなく、官公庁や医療・製造・インフラといった、社会の根幹に関わる領域でのデータ活用やデジタル化を推進されています。
私自身、ロボット研究を通して「技術で人の暮らしをどう支えるか」を追求してきたからこそ、こうした生活に直結するプロジェクトで貢献したいと強く思っています。

2つ目は、多様な分野の人と協力しながら、本当に“使える”仕組みをつくっていける文化があることです。技術だけでなく、「現場の課題を理解し、相手と一緒に考える」ことを大切にされていると、説明会や社員訪問を通じて実感しました。これは、私がロボットの共同研究で学んだ「対話型の課題解決力」とも通じる考え方です。

つまり、“できること”の内容が同じでも、それを“誰と、どんな姿勢でやるか”がNTTデータは圧倒的に違うと感じています。
だからこそ、私はNTTデータを選びました。

この回答は、企業研究をしっかり行っている印象を与えつつ、「なぜうちなのか?」という問いに誠実かつ論理的に答えることが必要です。

質問:「NTTデータのダメなところは何だと思いますか?」

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あえて申し上げるなら、組織の規模が大きいぶん、意思決定に時間がかかることがあるという点は、課題だと感じました。

社員の方のお話や座談会などから、「関係者が多く、プロジェクトを動かすために多くの調整が必要なことがある」と伺いました。これは、NTTデータ様が大規模かつ社会性の高い案件を多く扱っているからこそだと思いますが、スピード感を求める現場ではジレンマになることもあるのではと感じました。

ただ一方で、その分「品質」や「現場への配慮」を非常に大切にしている姿勢があるのも事実で、ただ速く進めるよりも、信頼を大事にしていることの表れでもあると思います。

私は、ロボット研究の中で、多くの関係者と連携しながらプロジェクトを進めた経験があり、調整・対話を重視しながらも、必要に応じて論点を整理し、前に進める推進力には自信があります。
ですので、そうした「大きな組織だからこそ生まれる課題」に対しても、自分なりに貢献できる余地があると前向きに捉えています

このように、企業の構造的な課題を指摘しながらも、共感 → 理解 → 貢献意欲という流れで語ることで、「冷静に分析できる人・組織にフィットする人材」として高評価を得られやすくなります。

質問:「あなたの弱みは何ですか?」

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私の弱みは、完璧を目指しすぎて、初動が遅くなることがある点です。

大学院の研究では、「最初から完成度の高い設計をしよう」と時間をかけすぎてしまい、途中で修正が難しくなってしまった経験がありました。そのとき、指導教員から「まずは動かしてみてから修正することも大事」と言われて、はっと気づかされました。

それ以来、まず小さく試して、そこから改善する“スモールスタート”の考え方を意識するようになりました。最近では、チームの中でも「まず簡易なプロトタイプを作って、全体像を共有する」といった進め方ができるようになり、作業のスピードも上がりました。

今もまだ意識しないと慎重になりすぎる部分はありますが、周囲とのコミュニケーションを取りながら進めることで、リスクをコントロールできるようになってきたと感じています。

このように、「人事が見たいのは“改善できる弱み”」であることを意識しつつ、成長のストーリーをセットで伝えることが大切です。

まとめ

ロボット工学という専門性を活かして、NTTデータのような社会インフラを支える企業で働く――それは決して難しい夢ではありません。重要なのは、自分の研究や経験が社会課題の解決にどうつながるのかを「相手にわかりやすく」伝えることです。

面接では、技術の深さよりも「どんな価値を生み出したいのか」「どんな姿勢で仕事に向き合いたいのか」が問われます。今回紹介した自己PRや質疑応答例を、自分なりの言葉に置き換えて準備すれば、きっと説得力のあるアピールができるはずです。

「研究室だけで完結しない技術者」になる第一歩として、この面接対策をぜひ活かしてみてください。あなたの技術が、社会に届く日を応援しています。

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