2019年10月12日発生した台風19号に代表されるように、近年は毎年強い台風が日本に上陸し、それに伴い重大な被害が各地で発生しています。
これからマンションを購入する人や、新しく戸建てを建てる人は、水害のリスクを考慮して家を選ぶべきであると言えます。
では、どんなところに注意して家を選んでいけばいいのでしょうか?
水害に強いマンションや、戸建て、土地の選び方についてまとめて紹介します。
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目次
水害の種類
水害の種類ですが、皆さんはよく一言で「洪水」と表現しますが、洪水にもいろいろな発生の契機があるということを知っていますか?
内水氾濫
まず内水氾濫ですが、これは近くに川などが無くても発生する水害です。市街地などに短期間で強い雨が降ることで、その地域の下水道や排水の限界を超えてしまい、溢れた雨水が、その地域の低い土地に流れ込んで洪水になるという事象です。
浦安市の排水機場の排水能力は1時間あたり50ミリメートルを想定しています。50ミリを超える大雨が続くと内水氾濫と呼ばれる状態になります。
堤防から川の水が溢れるのではなく、内側でどんどん水が溜まっていく現象で、海抜ゼロメートル地帯が多い元町地域で発生する可能性があります。 pic.twitter.com/DKMkZGKdKB
— 浦安サンポ (@urayasusanpo) October 12, 2019
外水氾濫
次に外水氾濫ですが、こちらは河川に大量の雨が降った結果、河川が増水し川の水が堤防を越えて氾濫するという事象です。河川が決壊後、大量の水が早い流れで一気に市街地に流入するため、人的被害を伴う大きな災害になるおそれが高い傾向にあります。
浸水の原因
堤防決壊
外水氾濫(越水)
内水氾濫河川敷にしておくべきところの家🏡は論外!! pic.twitter.com/UazX4Nlp6y
— レイ 日常 (@k_reichan) October 14, 2019
水害に強い地域の探し方
自治体のハザードマップ
まず、公的な情報として自治体が提供しているハザードマップを確認しましょう。
こちらのポータルサイトから、各自治体のハザードマップにアクセスすることができます。
リンク:ハザードマップ
水害対策として見るべきマップは以下の種類になります。
・洪水ハザードマップ
・内水ハザードマップ
・高潮ハザードマップ
・津波ハザードマップ
・液状化マップ
このようなイメージで確認することができます。
今昔マップ on the web
次に確認するべきは、その土地の歴史についてです。
こちらの今昔マップ on the webでは、明治時代以降の地図と現在の地図を見比べることができます。これによって、その土地がどのように変化してきたのかを時系列で見ることができるようになっています。
リンク:今昔マップ on the WEB
このようなイメージで確認できます。
特に、よくある事象として元農地かどうかは重要です。
農地から住宅地になって、マンション建設などに利用されるケースはとても多いのですが、土の入れ替えなどの地盤改良工事をちゃんとしていないと、水はけが悪い土地になってしまい、液状化や水害のリスクがとても高い土地となります。
もし、購入を検討している土地の歴史を先程の今昔マップで確認した結果、もともとは農地出会ったという場合は地盤調査などを行って、土地の状況を確認するようにするべきであると言えます。
これすごいな。スマホでも見やすい! /今昔マップ on the web https://t.co/AObhyVWZba
— 🍀にしまき🍀 (@nisimaki) October 14, 2019
○安全確認をするための参考サイト:
・今昔マップ on the web
現在の地図と明治以降の旧版地図を見比べることができる。https://t.co/VDNLnWQVgR・歴史的農業環境閲覧システム
明治時代の迅速測図が閲覧できる。https://t.co/W88sTEU0KS— しみ子 (@TShimiko) October 13, 2019
「マピオン」で標高や海抜確認
次にマピオンで、購入を検討している土地の標高や海抜を調べるようにしましょう。
また、このときに自分の土地だけでなく、ある程度広い周囲で、土地の高さも併せて確認するようにしましょう。
例えば隣の家の土地よりも高いから大丈夫と思っていても、実はその土地全体が窪地になっていて、内陸でも窪地や谷に当たる地域に該当してしまいますと、周囲の雨が流れ込んできて水害にあってしまうリスクがあります。
リンク:マピオン
こんなイメージで確認できます。例えば東京駅は海抜4mとのことです。
水害に強い具体的な土地の考え方
周囲の道路より自分の土地が高い
周囲の道路よりも、自分の家が低いと道路から雨水が土地に流れ込んできるリスクが高まってしまいます。
例えば、傾斜の多い土地に多いですが、家が「半地下」形式になっている場合も同様の問題が発生します。
このような土地の場合は、盛り土などを検討するようにしましょう。
隣接する土地より自分の土地が高い
先ほどと同様に、周囲の土地よりも自分の土地が低いと、水が流れ込んでくる可能性が高まります。
河川から離れていても、このように「低地」になっている場所には水が流れ込んできて水害が発生してしまいますので、もし周囲の土地と比べて購入を検討している土地が低い場合は、盛り土を検討しましょう。
土地前の道路が周りの道路より高い
自分の家の前を走っている道路よりも、自分の土地が高くても、その道路が周囲の道路と比べて低いようですと、道路冠水と言って、水が流れ込んできてしまう可能性が高まります。
つまり、土地全体が高かったり、近くに河川がなくても、自分の土地だけが周りと比べて低いと水害に合う可能性があるということです。
先程ご紹介したマピオンなどを活用して、このような状態の土地では無いことをよく確認するようにしてください。
近所に水路や、堤防の無い川がない
家の近所に水路がある場合や、堤防が無い河川がある場合は、水害に合う可能性があるかもしれません。
自治体のハザードマップを確認し、河川の氾濫の歴史などを確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
物件自体を考えるだけでなく、土地から選ぶことで、水害のリスクを抑えた戸建て、マンション建設を行ってくださいね。
情報を収集する際に自分で調べてもよいのですが、最も効率が良いのは不動産会社の方としっかり話をすることだと思います。